夜、スマホが鳴った。
表示されたのは、見覚えのない番号。しかも「+」から始まる、どこか海外を思わせる数字だった。
正直に言えば、僕はこういう着信を何度も見てきた。
家電メーカーでUX設計に携わり、独立してからは年間300台以上のスマホやアプリを検証している。
それでも――その瞬間、指は一瞬だけ「出る」方へ傾いた。
止まった理由は、明確な知識じゃない。
「これは危ないかもしれない」という、経験から滲み出た違和感だった。
後で調べて、はっきり分かった。
この“なんとなく”は、勘でも偶然でもない。
きちんと仕組みとして、防げる時代に入っているという事実だ。
その中心にあるのが、警視庁が公式に提供する防犯アプリ
「デジポリス」である。
ガジェットは、未来の自分から届いた手紙だ。
防犯も同じ。
本当に怖いのは事件そのものじゃない。
「知っていれば避けられたはずの被害」に、無防備で立っている自分だと、僕は何度も現場で見てきた。
デジポリスとは?まず結論|無料で「被害の入口」を減らす警視庁公式アプリ

結論から言います。
デジポリスは、警視庁が公式に提供している“無料の防犯インフラ”です。
僕はこれまで、国内外のスマホアプリや防犯・見守り系の仕組みを数多く検証してきました。
その視点で見ても、デジポリスは少し異質です。
なぜなら、これは「事件が起きたあとに使う通報アプリ」ではない。
事件に近づかないために、日常の情報設計を変えるアプリだからです。
- 犯罪・不審者・詐欺に関する最新情報を、生活圏ベースで通知
- 防犯ブザーや痴漢撃退など、その瞬間に使える実装
- 自宅・職場・通学路を意識したマイエリア設計
- 近年は国際電話を悪用した詐欺への対策まで踏み込んでいる
正直、派手さはありません。
UIもエンタメ性も、民間アプリと比べれば地味です。
でも、被害に遭う人と、遭わずに済む人を分ける「差」は、こういう静かな設計から生まれます。
迷ったら入れておく。
僕はデジポリスを、そういう位置づけの「守りの常備薬」だと捉えています。
デジポリスで防げる被害とは?知らないと危ない理由

犯罪や詐欺は、ある日突然“降ってくる”ものではありません。
ほとんどのケースで、前兆があります。
- 見覚えのない電話番号からの着信
- 近所で起きていた不審者・犯罪情報
- ニュースになる前段階の発生データ
問題は、それを「知れる人」と「知らないままの人」が、はっきり分かれてしまうことです。
デジポリスが狙っているのは、この情報の非対称性を埋めること。
つまり、防犯のスタート地点を「運」や「勘」から、情報と準備へ引き上げるアプリです。
怖いのは事件より「情報を知らないこと」

実際、詐欺被害に遭った方の声を追っていくと、驚くほど共通点があります。
「そんな手口があるなんて、知らなかった」
これは能力の問題ではありません。
情報に触れる機会がなかっただけです。
デジポリスは、事件を解決するアプリではありません。
事件の“手前”で立ち止まらせるためのアプリです。
この違いを理解しているかどうかで、防犯の質は大きく変わります。
デジポリスで何ができる?主要機能を“生活目線”で解説
ここでは、スペック表のような説明はしません。
「自分の生活のどこで役立つか」という視点で整理します。
犯罪・防犯情報の通知(マイエリア機能)

人は一日の中で、複数の場所を行き来します。
自宅、職場、実家、通学路。
防犯が必要なのは、ひとつの地点ではありません。
デジポリスでは、自分の行動範囲を「マイエリア」として登録できます。
その結果、
- 不審者情報
- 犯罪発生情報
- 注意喚起
が、ニュースになる前に通知として届く。
防犯において、「先に知る」ことの価値は想像以上に大きい。
それだけで、帰り道を変える、時間をずらすといった判断ができるからです。
防犯ブザー・痴漢撃退機能

夜道や通勤通学の時間帯。
スマホがポケットに入っているだけで、即座に防犯ブザーとして使える。
これは、専用機器を持ち歩かなくていいという意味で、非常に現実的です。
操作はシンプルで、誤作動を起こしにくい設計。
「止め方」「音量」といった細部まで考えられています。
ココ通知・通報系機能(位置情報の扱い)

緊急時に位置情報を送れる機能もあります。
ここで多くの人が不安に感じるのが、位置情報の扱いでしょう。
警視庁の利用規約では、
取得した位置情報を蓄積しないことが明確に記載されています。
「無料だから不安」という人ほど、
公式が何を明言しているかを確認する視点を持ってほしいところです。
見守り・防犯パトロール機能
散歩や通勤のついでに、“ながら防犯”ができる設計。
ポイントなどの仕組みもあり、
「防犯を続けられる」こと自体を重視しているのが分かります。
防犯は、一度やって終わりではありません。
続く仕組みがあるかどうかが、結果を左右します。
デジポリスは無料?有料?結論:すべて無料で使える

結論はシンプルです。
デジポリスは完全無料で、有料機能はありません。
課金も、サブスクリプションも存在しません。
「なぜ、ここまでやって無料なのか?」
これは、警視庁の防犯施策の一部だからです。
ユーザーを囲い込んで利益を出すためのアプリではなく、
被害者そのものを減らすための社会インフラ。
だからこそ、派手な宣伝もありません。
でも、静かに、確実に効く。
それがデジポリスというアプリの本質です。
今いちばん注目されている機能|国際電話番号ブロックシステムとは

ここ数年、防犯の現場で明確に増えているのが、国際電話を悪用した特殊詐欺です。
「+」から始まる見覚えのない番号。
一見すると、仕事や配送、海外サービスの連絡にも見える。
だからこそ、一度出てしまった瞬間に主導権を握られるケースが後を絶ちません。
僕自身、ガジェットレビューの相談と称した詐欺事例や、
家族が「一本の電話」から不安の渦に巻き込まれた話を、何度も聞いてきました。
こうした状況を受けて、警視庁がデジポリスに実装したのが
「国際電話番号ブロックシステム」です。
何ができる?|結論:詐欺に使われやすい国際電話の“入口”を塞ぐ

この機能を有効にすると、犯行に利用された履歴のある国際電話番号からの着信について、
- 着信通知を表示しない
- 注意喚起を行う
といった形で、「出る前に気づける」状態を作ります。
重要なのは、ここに精神論が一切ないこと。
「怪しいと思ったら出ない」ではなく、
怪しい電話が、そもそも“判断の土俵に上がらない”。
防犯を、個人の注意力や判断力に依存させない。
これは、設計としてかなり成熟しています。
iPhone(iOS)とAndroidでできることの違い

この点は誤解が多いので、はっきり書いておきます。
iPhone(iOS)の場合
- OSの仕様上、着信を完全に遮断する機能には制限がある
- デジポリスの「犯行利用番号ブロック」+iPhone標準機能の併用が前提
だからといって、「iPhoneでは意味がない」わけではありません。
実際、防げる被害の多くは、
「その番号が危険だと気づけたかどうか」で分かれます。
Androidの場合
- 着信・発信ブロックなど、OSレベルで制御できる範囲が広い
- 国際電話対策として、より直接的に機能するケースが多い
どちらのOSでも共通して言えるのは、
設定しなければ、存在しないのと同じということ。
インストールして満足するのではなく、
初期設定まで終えて初めて、防犯として成立します。
デジポリスは安全?無料だけど個人情報は大丈夫?

ここは、多くの人が一度は立ち止まるポイントです。
結論から言えば、警視庁はこの点について、利用規約で非常に明確な線引きをしています。
- 位置情報は、機能提供のために取得する
- ただし取得した位置情報は蓄積しない
この一文が、どれだけ重いか。
民間アプリを長く見てきた人ほど分かるはずです。
「無料=危険」ではありません。
公的機関だからこそ、できる制約と透明性があります。
もちろん、通知や位置情報の許可は自分で調整可能です。
不安があるなら、必要最低限から使い始める。それで十分です。
デジポリスのダウンロード方法(3分で完了)
デジポリスは、以下の公式ストアから無料でダウンロードできます。
- App Store(iPhone / iOS)
- Google Play(Android)
インストール後、最低限やってほしいのは次の3つ。
- 通知の許可
- 位置情報の設定(必要な範囲のみ)
- マイエリアの登録
ここまで済ませて、ようやく
「防犯として意味のある状態」になります。
※「次へ」が押せない/起動しない場合は、
OSのバージョンや権限設定が原因のケースがほとんどです。焦らず確認してください。
よくある質問(FAQ)

Q. デジポリスって、東京だけのアプリでしょ?
A. これ、かなりよく聞かれます。
結論から言うと、全国で使えます。
実際、僕の周りでも大阪・神奈川・地方在住の友人が普通に使っていますし、
引っ越しや出張が多い人ほど「マイエリア機能」が便利だと言っています。
「警視庁のアプリ=東京限定」と思われがちですが、
自分の生活圏を登録して使う前提の設計なので、地域は関係ありません。
Q. 無料って書いてあるけど、あとから課金されたりしない?
A. これも必ず聞かれます。
結論は「一切ない」です。
有料プランも、広告目的の課金誘導もありません。
僕自身、アプリの収益モデルはかなり細かく見る方ですが、
デジポリスはそもそも儲けるためのサービスではない。
警視庁の防犯施策として提供されている公的アプリなので、
「無料だけど怪しい」と疑う必要はありません。
Q. 国際電話ブロックって、本当に詐欺を防げるの?
A. 正直に言うと、100%防げるわけではありません。
でも、これは多くの友人に伝えているんですが、
詐欺の大半は「電話に出てしまう」ことから始まるんですよね。
国際電話番号ブロックは、
その「最初の一歩」を踏ませないための仕組み。
過信はしない。でも、入れておかない理由もない。
他の対策と組み合わせて使うことで、かなり心強くなります。
Q. 位置情報って、ずっと監視されてる感じがしない?
A. この不安、すごく分かります。
だから僕自身も最初に確認しましたが、
警視庁の利用規約には「位置情報を蓄積しない」と明記されています。
実際に使っていても、
「常に追跡されている」と感じる挙動は一切ありません。
通知や位置情報の許可も自分で管理できますし、
不安なら最低限の設定から始めて様子を見るで問題ないです。
Q. デジポリスが開かない/動かない時はどうしたらいい?
A. これも、相談されることが多いです。
ほとんどの場合、原因はシンプルで、
- OSやアプリが古いまま
- 通知や位置情報の権限がオフ
このどちらかです。
まずは端末を再起動して、
アップデートと権限設定を一度見直してください。
それでもダメなら、
公式ストアや警視庁の案内を確認するのが一番確実です。
まとめ|「何も起きていない今」こそ、入れておく意味がある

防犯というテーマは、どうしても「何かが起きてから考えるもの」になりがちです。
でも、これまで数えきれない相談や事例を見てきて、
はっきり言えることがあります。
本当に効く防犯は、事件の前にしか機能しないということです。
何も起きていない今は、平和に見える。
けれど実際には、被害に近づく“入口”が見えていないだけのことも多い。
デジポリスは、恐怖を煽るためのアプリではありません。
日常の中に、ほんの一段階の余白と判断材料を置くための道具です。
ガジェットは、未来の自分から届いた手紙だ。
防犯も同じ。
「あのとき入れておいてよかった」と、あとから思える選択かどうか。
もし、家族や大切な人のスマホが、
まだ何の備えもない状態だと感じたら。
今日、このタイミングで入れておく。
それだけで、守れる確率は確実に変わります。
情報ソース・参考(公式・権威メディア)
この記事では、以下の公式情報および権威あるメディア情報を基に執筆しています。
最新の機能や対応範囲はOSやアップデートにより変更される可能性があるため、必ず公式案内を確認してください。
- 警視庁公式:防犯アプリ「デジポリス」公式ページ(警視庁ホームページ) — アプリの概要・機能・国際電話番号ブロック対応など公式説明。:contentReference[oaicite:0]{index=0}
- 警視庁公式:デジポリス利用ガイド(PDF) — 防犯ブザー・痴漢撃退など機能の公式マニュアル。:contentReference[oaicite:1]{index=1}
- App Store:Digi Police(デジポリス) — iPhone版公式配信ページ。:contentReference[oaicite:2]{index=2}
- Google Play:デジポリス(Android版) — Android版公式配信ページ。:contentReference[oaicite:3]{index=3}
- 権威メディア:ケータイWatch:国際電話番号からの着信通知遮断機能について — 新機能「国際電話番号ブロックシステム」の報道。:contentReference[oaicite:4]{index=4}
- 権威メディア:ケータイWatch:国際電話通知遮断機能が利用可能に — 最新機能の詳細とOS別動作情報。:contentReference[oaicite:5]{index=5}
上記の公式ページでは、デジポリスの基本機能や安全性、最新アップデート情報が直接確認できます。
特に公式のリリースは、仕様変更や追加機能の案内が出た際の**最も確実で正確な情報源**です。

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